「苦悩」する自己

 わたしたちは、「苦悩」する存在です。

 フランクル(精神科医)は、「苦悩する人間」を「ホモ・パティエンス」として、根源的で最も価値のある存在と述べています。

 キルケゴール(哲学者)は、絶望する能力が欠けていることこそが、絶望であると述べています。

 一方、ブッダは、「苦悩の大河を対岸まで渡りきること」の重要性を説かれました。

 

 日常臨床において、深刻な話題をニヤニヤしながら語る方が確かにおられます。心理構造における自己不一致であり、「絞首台の笑い」と呼ぶことがあります(エリック・バーン)。そのことを率直に伝えると、腹を立てられ、後で妄想的な批判を受けることがあるので、今はそれに対して、違う戦略で対応しています。

 

 わたしたちは、人間存在として「苦悩」します。そして、未来に向かって可能性がひらかれていくのです。