「適応障害」

 DSMにおける「適応障害」との診断は、仕事や家庭における役割および対人関係におけるストレスが原因として作用することにより、症状と結びつき病むというように定義づけされています。

 これは、他の診断基準に合致しない場合、ゴミ箱的な診断として使用される場合もありますが、精神物理学が前提となる場合もあります。

 わたしたちは、役割や対人関係に対して適応する力をもつことが前提です。

 そうでなければ、これまで生き延びられなかったであろう!

 一方、精神物理学による還元主義は、わたしたちの能力と価値を値引きします。

 何らかの外的な出来事が直接的な原因として作用することにより脳が病むという前提は誤謬です。

 R(反応)、S(刺激)、t(時間)による積分関数が成立しないことは明らかです。

 脆弱性、レジリエンスなる因子を心理学主義的にもちこんだところで意味はありません。

 (還元主義は、現象を解釈する目的で、作用因子を増やして辻褄を合わせること!)

 むしろ、ネガティブが優勢な脳システムを前提として、役割および対人関係に対する適応困難という事態と結びつくのです。

 気分あるいは感情面における問題が前提となっているということです。

 適応障害を再発するという矛盾した事態は何なのか!

 養生を前提として、適切な薬物療法および精神療法を展開することで多くの方は、主体として「原因となった問題」に適応していくのです。