実存分析的精神療法における情報およびメッセージ

 私の精神療法を受けられた方からの希望をいただくことが増えてきましたので、精神療法を施行するときの情報およびメッセージを開示いたしますので、参考にしていただければ幸いです。

 これらは、診察時に電子カルテの画面に大きな文字で表示します。

 

 実存分析的精神療法(標準型)

 脳レベル:

 脳システムにおける問題

 話すこと、動くこと、認識作用における前提

 外的な出来事は本質ではないこと

 ネガティブな神経回路:爬虫類脳(自己および他者に対する支配・コントロール・批判)、下部前頭皮質(こだわり、常同、反復)

 本質自己:役割、対人関係に対してうまく適応する力が前提

 脳が病む:見ること、聞くこと、認識作用が歪むこと:自他境界における不確かさ:行動および決断困難:思考・意思と行動との不一致

 自己意識:思考、認識、意思 → 筋緊張↑ → 動かない

 無意識:志向性(前提)、直観、自己愛 → 本質自己

 自己意識による認識は本質ではなく、意思によっては動かない

 無意識における志向性により動くこと

 心理レベル:

 自己愛:どんなわたしであっても無条件OK

 「親」のプログラム:「命令」「禁止令」、批判、価値評価

 「完全であれ」「努力せよ」「喜ばせろ」「強くあれ」「急げ」

 「より良くやってはならぬ!」

 「親」による挑発:「くたばっちまえ!」 → 自己破壊的な心理

 診断:

 気分循環症、気分変調症、双極スペクトラム障害、精神病

 DSMによる診断プロセス(症状リストを吟味) → 診断定義づけ:ネガティブを強化

 

 生きられた人生の歴史は、無条件OKであること

 仕事や家庭における役割に対して、より良くやること、それを離れてやっていくことに関する可能性があること

 結果よりも、結果へと至るプロセスの方がより重要であること(人生脚本における結末)

 「わたし」が望むのは、ちがうふうにより良くやることであること

 無意識において、やらないことが前提であること(志向性)

 自己意識において、有効な選択肢を値引きすること

 「死にたい」「逃げたい」「避けたい」「子供っぽい」「甘えている」という表現は、「わたし」ではなく、「親」であること

 

 「絞首台の笑い」

 語り内容と表現との不一致

 値引き: 自己の能力と価値を尊重しない心理(否定形での表現)

 ネクロフィリア:社会的および生命的な死へと向かう心理(人生脚本の種類:重度の「敗北者」)

 

 ここからは、伝える機会の少ない情報およびメッセージ

 脳システム:ポジティブ、ネガティブ ←→ 自己愛 ←→ 自己超越(魂、スピリット:脳機能を超えて、心身から離れる:もとにある体験)

 実存レベル:即自「あるところである」(本質存在)、対自「あるところであらぬ」(属性、所有、定義づけに対する否・定)

 「実存的空虚」 → どのようであっても人生から求められる「意味」がある

 心理構造分析:自我状態:「親」(支配的、養育的)、「成人」、「子ども」(自由、順応)

 無意識からの情報:顔の角度、姿勢のバランス、語りのリズム・テンポ

 精神物理学:ΔR=κ∫ ΔS R=∫ ΔR×Δt

 「親」のイマーゴ(親的な表象):「内なる親」および現実の親よりもパワーがある

 間主観的な場に「ある」(魂、スピリット)

 親の役割は、見返りなしに子供を愛すること、世話すること、守ること

 親と子供は、合わせ鏡であること

 より良く生きる手本を示すことが親の役割であること

 支配的な自我状態(CP):自己と他者に対する支配・コントロール・批判、権力闘争 → 正気でないあるいは狂気の自我を抑圧

 過去の経験(記憶):日付、場所、人物から構成される(事実) ⇒ 内容および感情は今における再解釈:ネガティブな意味が強化される

 ラケット感情(幼少期に経験した不快感情):自己意識による認識作用の前提

 語りのプロセスとイメージとの結びつき:動きのあるイメージ、動きのないイメージ

 禅の思想:分別計較の心(自我意識):非本質的な価値判断に対するとらわれ、執着、自己と他者に対する支配・コントロール・批判 ≒ 「支配的な自我」 ≒ 偏見、妄想

 荒々しく粗暴で無作法な言葉や悪意を含む言葉、罵りの言葉を慎む → 「貴い沈黙」

 「判断停止」(エポケー)

 自然な感情:思考・認識、語ることは難しい、身体で感じること

 

〇 ポジティブな心理:

 自己愛およびプラスのストロークが前提

⇒ 体験における自然な感情「悲しみ」「怒り」「嫌」「怖れ」「喜び」

⇒ 無意識(直観)による問題解決行動

〇 ネガティブな心理:

 自己愛およびプラスのストロークの不足

⇒ 先立って準備されているラケット感情を前提とした体験との結びつき

⇒ 自己意識(思考、認識、意思)による囚われにより、好機を逸する、後手を踏むこと

⇒ 人生脚本(心理ゲーム)と結びつく行動を展開していくこと

 

〇 語りおよび表現のプロセスを観察することによりイメージとの結びつきがわかること

⇒ うまくやっていく、うまくやらない、動いていく、動かないイメージ

 

 心理プロセス:「感情」が前提:自然な感情(体験における直感)、ラケット感情(幼少期からの不快感情)

 言葉はイメージとの結びつきが前提であること:動く・動かない、うまくやる・やらないイメージ

 過去から未来への時間の流れは存在しないこと → 時間とは体験の重ね合わせであること

 「本質自己」:歴史的存在(過去:無条件OK)、現存在(今:直観)、可能的存在(未来:多様な可能性)

 わたしの考えや気持ち、望むことを明確に伝え合うこと:愛、信頼、絆を強化すること

 問いかけることは、わたしと相手の領域を尊重すること

 構造分析: 脳システム → 心理 → 実存

 未来のイメージは過去の経験(記憶)による再構成であり、体験との一致はありえないこと

 現実の親および「内なる親」は「禁止令」(より良くやってはならぬ!)により、自己実現を妨げること

 他者との関わりにおける前提は自己愛であること

 過去の経験(記憶)から再構成されたイメージ・フィルターを前提として認識していること

 感情、思考、イメージにおいて、身体の緊張パターンが前提となっていること

 原因不明の身体症状は、正気を失うこと、発狂すること、精神病の顕在発症に対する防衛の可能性があること

 身体症状には、人生早期からの歴史があること(身体脚本)

 

 否定・批判は、「親」であること

 親による意見: 思い込み、決めつけ: 値引き

 思考: 弁証法的に発展させていく可能性あり : 思想、信条、意見: 行動とは結びつかない

 弁証法的思考: 命題(テーゼ)、反命題(アンチテーゼ)を対立させながら、思考内容を発展させていくこと

 認識: 感覚+過去の経験(記憶) → 知覚: 対象を構成要素に分解 → 分析 → 全体へと還元 → 定義づけ: 思い込み、決めつけ

 

 知性により、過去の喪失に対する嘆き(抑うつ)、未来の不確かさに対する怖れ(不安)による苦悩に対する防衛として、人間存在は、自己意識により、主観的な世界構成を行なうことにより、安らうこと

→ 絶えることなく、欲望の対象を追及すること、欲望空間を充足することに執着すること(欲望空間は「無」であるがゆえに永遠に充足されることはない!)

→ 人間存在としての頽落: 主体(能動性)ではなく、客体化、他者化(受動性)

 

 「彼(彼女)は、わたしが〇〇であることを(理解、納得、受け入れて)くれない」

→ これは、心理ゲームあるいはパワープレイであること

→ 相手は理解・納得・受け入れないことが前提であり、言葉を尽くして説明しても、多くの情報をあたえても、うまくいかないこと(事態をこじらせること)

 「迫害者」は、否定・批判、攻撃、排除的なラケット感情を前提として、やりとりを構成すること

 「犠牲者」は、傷つけられた、見下された、惨めさなどのラケット感情を前提として、やりとりを構成すること

 いずれにしても、歪んだネガティブな平衡状態が実現していること、その場における秩序が形成されていること

 

 脳システム:ネガティブあるいは病的な平衡状態:あらゆる変化に抵抗というより、秩序の維持が前提:病識欠如、服薬および療養に対する抵抗・拒否へと結びつく

 

 純粋経験: 接合かつ離切 → 自己意識: 経験に対する接合あるいは離切: 再解釈によるストーリー構成

 

 自己意識: 言語による思考・認識・意思: 行動とは結びつかない

 無意識: 言語に先立つ志向性(前提)・直観: 自己愛 : 行動との結びつき

 

 過去:生きられた歴史:無条件OK、今:直観、未来:可能的な存在(可能性が開かれていく)

 

 脳システムが前提 → 他者・環境・役割との結びつき(適応) 

 思考・意思 → 行動の原因ではない

 顔と声は無意識からの表現であること: 自己意識によりコントロールしていない

 

 「幸せ」は自己超越的な体験であること(感情ではない)

→ 主観的な世界(環境、役割)は「幸せ」に対する前提ではないこと

 自己意識(対自)は、無意識(即自:志向性、直観)に対する否定であること

→ 「〇〇をやろうとする。でもしかし、……」

 

 自己実現(魂における幸せ) ≠ 自我実現(生活レベルにおける幸せ)

 

 他者と解り合う体験: そのとき、自他における内的時間体験の一致: リズムとテンポが調和すること

 

 一次的自己愛(原初的) : 生きることに対する「許可」 → 自己対象体験: 能力・パワー・強みを表現すること、よリ良く生きることに対する「許可」

 二次的自己愛 : 愛着における問題、生きづらい「生」と結びつくこと

 愛着における問題 : 回避型、不安型、怖れ・不安型 : 無条件での愛、信頼、絆における不足

 安全基地 : 安定型愛着により結びつく存在